売りどきがわかるのは思い上がり

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ハワードの最新メモから

 

What are the “sharp bursts” Miller talks about?  On April 11, 2019, The Motley Fool cited data from JP Morgan Asset Management’s 2019 Retirement Guide showing that in the 20-year period between 1999 and 2018, the annual return on the S&P 500 was 5.6%, but your return would only have been 2.0% if you had sat out the 10 best days (or roughly 0.4% of the trading days), and you wouldn’t have made any money at all if you had missed the 20 best days.  In the past, returns have often been similarly concentrated in a small number of days.  Nevertheless, overactive investors continue to jump in and out of the market, incurring transactions costs and capital gains taxes and running the risk of missing those “sharp bursts.”

ミラーのいう「シャープ・バースト」とはなにかというと、2019年4月11日、モトレーフールがJPMの2019リタイアメントガイドから引用し、1999年から2018年の20年間にかけてSP500の平均年間リターンは5.6%だったが、もし最良の10日に市場に居合わせなかったら(言い換えれば総取引日のおよそ0.4%)、2%にすぎなかった。さらにもし最良の20日を逃していたら何らリターンを得ることもなかったというデータを紹介している。過去を見ればこのようにリターンは、わずか数日に集中している。にもかかわらず手数の多すぎる投資家はマーケットから資金を引き上げたり再度参入している。それにより取引手数料とキャピタルゲイン課税と、このような「シャープ・バースト」を取り逃すリスクを負うことになる。

 

As mentioned earlier, investors often engage in selling because they believe a decline is imminent and they have the ability to avoid it.  The truth, however, is that buying or holding – even at elevated prices – and experiencing a decline is in itself far from fatal. Usually, every market high is followed by a higher one and, after all, only the long-term return matters.  Reducing market exposure through ill-conceived selling – and thus failing to participate fully in the markets’ positive long-term trend – is a cardinal sin in investing.  That’s even more true of selling without reason things that have fallen, turning negative fluctuations into permanent losses and missing out on the miracle of long-term compounding.

先に述べたように、投資家はしばしば売りに従事する。なぜならかれらは急落は目の前にあり、それを避ける能力があると、信じているからだ。真実は、しかし、買ったり、ホールドしたり(買値が高値であったとしても)、下落を経験したりすることはそれ自体致命的なものではまったくない。通常、マーケットの高値にはさらなる高値が続く。結局、長期的なリターンだけが重要なのだ。考え尽くすことなくマーケットエクスポージャーを減らす―そしてフルポジの状態でマーケットの正の長期トレンドに参加し損なう羽目になる―のは投資における大罪である。理由なしに売り、負の変動が永続的損失に変わり、長期的複利の奇跡を逃してしまう。(訳文再検討)

 

★★★

 

マークスは、マーケットの変動は知り得ないということを理解していて、だから 「タイミング」を図れるということを信じない。ミラーがかつて述べたように、タイミングではなく、タイムを信じる。さらに、過去のデータから、「最良の10日」を逃すと取り返しのつかない機会損失につながるということも理解している。

このことから、必然的にa)常に割安と思えるものを買い続け、b)マーケットにフルポジで居続けるということが基本的行動方針になる。その結果、短期的に株価が低迷しおもしろくない思いをしても、20年間で数日しかない「最良の日々」(それがいつなのかは誰にもわからない)に資金を株式に投じていない事態だけは避けなければならない。

いま、ナスダックが大きく下げている。米国株式はハイパーグロースを中心に売られ続け、かつての輝いていた時の高値をとることはもうないように思える。しかし、それらの代わりに台頭するセクターはあるし、総体としての米国株式市場は再度新高値をとる。しかしそのタイミングはわからないから、今現金比率を高めるなんてことを考える必要はない。

現金比率を高める必要はないのは間違っていないが、保有している株式が最良のメンバーかどうかをゼロベースで考えるべきだ。より安く、より期待できる銘柄に乗り換える必要はある。それこそがマークスの言いたいことだろう。単なるガチホを推奨しているのではない。